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職場にも愛を求めてしまう?【2】

2人姉妹の姉である彼女。
子供の頃から妹の面倒をみたり、あまり母親らしくない母の代わりとして育ちました。
「いつも皆は妹ばかり可愛がって、私には厳しくあたった」と言います。
妹の求めるものは簡単に与えられ、彼女の要求には「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい」という区別がハッキリしていたようです。


「お姉ちゃんなんだから」に反発することも出来ず、姉らしく誉められる道を選びました。

何かお手伝いをしたり、成績が良かったりすると、普段妹ばかりを可愛がっている両親が自分のことを褒める認めてくれました。その時だけ、愛されていると実感することが出来たのです。その居心地の良さを求めて、どこでも誉められたいと頑張る癖がついていきました。

そう思うから行動するのではなく、人が誉めるであろうから動いていました。
職場にも出会う人にも無意識のうちに「愛」を求めていました。承認されることで感じられる「愛」。

彼女の中には家族に無条件に愛されているという感覚がありませんでした。
無条件の愛は安心感につながります。
安心感がないと生きづらく、何かで認めてもらえないと不安になりがちです。そうすることで自分の存在を始めて確認できるのかも知れません。

本当は、ありのままの自分をそのまま受けとめ、愛されていると感じられたらどんなに心は安定するでしょう。

彼女にはカウンセリングで様々な思い出を話していただき、ヒプノセラピーで悲しかった場面に戻り、泣きじゃくる子供の自分を抱きしめてもらいました。時に無表情の自分に声をかけ会話を続けていったり、その存在を無条件にサポートする存在になってもらいました。

大人の彼女が子供の自分の痛みや訴えを理解し、共有してありのままの彼女に「愛」を伝えていくという作業です。

「~できる」ことでの承認、価値に慣れてしまっていた時期が長いので「そのままでいい」という感覚の受け入れや他の人の眼を気にするのは時間がかかりましたが、認知療法で様々な角度から気持ちを確かめてみたり、フォーカシングで心の声を聴くレッスンをしながら彼女は次第に心穏やかで明るい自分を取り戻していきました。

会議で反対意見を出されても、それがイコール自分を否定されているわけではない、そういう考え方もあるのかなと自然に思えるようになりました。必要以上に人に好かれたり認められたりすることもないんだと誉められるための行動はなくなっていきました。

「それは誉められたら嬉しいけど、だから愛されているわけでもなく、別に必要でもないですよね」
「自分のために生きることが出来なければ、人の為にもなれないし、ましてや自分を愛することなんて出来ない」
というのが彼女の結論です。

彼女は「今」をとても楽な状態と言います。
そのままの彼女を受け入れてくれるパートナーもでき、仕事もプライベートも自分らしく楽しんでいます。

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