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本当の自分が分からない(アダルトチルドレン※)【2】

どうしてなのかを説明しようとすると、「親に口ごたえをするな」と言ってはたかれたそうです。困った彼女が叔母に相談すると「どこの家もみんなそんなものよ。女は強くなくちゃね」と諭されてしまうのでした。

母のグチを聞いたり、兄弟をなぐさめたりと彼女自身もつらいのに、自分よりも周りを気遣う生活でした。

常に父の気配を伺って暮らす家族の疲れ・・・

彼女は早々に自立の道を歩み出します。社会人になると家を出てひとり暮らしを始めますが、心穏やかになることはありませんでした。離れても家に縛られ支配されている感じ。

交友関係も広がって楽しいはずなのに、彼女はいつの間にか自分の自然な感情が分からない感情になっていることに気づきます。
いつも相手のしたいことに合わせることが多く、本当はどうしたいのか?(相手のことも好きなのか?も)がスッと出てこないのです。
でも相手がどうしたがっているのかは分かるので、それに従っていました。周囲の気配を察知して動くことが身についているので気疲れすることが多く、時々情緒不安定になって涙もろくなったり、逆に感情が湧かず笑ったり泣いたりできないこともありました。
何かがおかしいと感じ、カウンセリングを受けられるまで様々な体調の悪さを近くの内科で処方された薬を長期に摂ることで何とか保っていました。

初めてのカウンセリングでとても冷静で聡明な印象を受けました。けれど、彼女自身も感じている通り感情が伝わってこないのです。

何回かのカウンセリングで家族との関係・生育歴などをお話しいただきながら、少しずつ彼女の中に閉じ込められた大きな怒りや悲しみといった感情が動き始めました。

いつも客観的に冷めた距離で物事をみることで心の傷を最小限に抑えようとしていたことも、彼女自身どこかで分かっていました。

年より大人びて見える彼女が描く絵は、子供が描いたようで、人が描けないという特徴がありました。

話すことで記憶が整理されつつある日、イメージワークの中で彼女は家族の中で何とかしようとしている幼い自分に出会えました。

一回目のセラピーでは大きな重い扉が固く閉じていて、開けたくなかったのです。
二回目は始めから家の中で、家族を見つめる幼い自分の姿がありました。

その子は話しかけてもあまり表情がなく、悲しいとも苦しいとも訴えてはきませんでした。しばらくその子のそばにいる許可をもらい、気持ちに寄り添いながら、周りの家族の様子を「どうしてるの?」「どう感じるの?」と聞き取っていくと、突然、「何でケンカばかりしてるの?」「やめて」「ぶたないで」という声が涙とともに溢れてきました。
その時は、あまりにつらくて言えなかったことを表現していきました。

「もっとちゃんと見ていてほしかった」というその子を、大人の彼女が心から共感し母の代わりに優しく抱きしめて、どんなにその子が大切な存在か、そして愛していることを伝えるうちに幼い彼女に笑顔が見られるようになりました。

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